過去問解説
陽電子放射断層撮影法(PET)について説明します。 記事の最後には過去問解説も記載しますので理解しましょう。 陽電子放射断層撮影法とは身体を構成する元素の放射性同位体を体内に入れてガン等の病気を発見する検査法です。 PET検査で最もよく使われる放射性…
逆希釈法について記載します。 逆希釈法の方法を以下、記載します。 ①混合物中の成分について定量したい成分と同じ化学式の非放射性成分を加えます。 ※定量したい成分の比放射能Sは把握されている必要があります。 ②よく混ぜた後、定量したい成分を一部だけ…
直接希釈法について記載します。 直接希釈法の方法を以下記載します。 ①混合物中の成分について定量したい成分と同じ化学式の放射性同位体で標識した成分を加えます。 ②よく混ぜた後、定量したい成分を一部だけ化学分離して比放射能を計測します。 ③計測した…
溶媒抽出法について記載します。 溶媒抽出法とは水相中にある放射性核種を有機溶媒によって取り出す方法です。 絵として内容理解してしまいましょう。 【過去問平成22年度化学】 100mLの水相中にあるラジオアイソトープ(RI)を100mLの有機相に溶媒抽出すると9…
放射平衡について説明します。 放射平衡とは、 親核種の半減期が娘核種の半減期より長い場合に親核種、娘核種が同時に存在するため放射能が釣り合う状態のことを言います。 上記放射平衡には2種類のパターンがあります。 一つ目:過渡平衡(かとへいこう) …
荷電粒子の飛程比較について過去問を解説しながら説明します。 荷電粒子の飛程には以下に紹介する式の様な関係があります。 試験では、数種類の荷電粒子の飛程を比較する問題を解くために使用します。 ∝は比例の意味であることに注意しましょう。 R:飛程 M…
中性子捕獲反応について記載します。 中性子捕獲とは、原子核は中性子と衝突して合体し、質量が一つ増える現象です。中性子が原子核に吸収された際にγ線が放出される特徴があります。 <過去問> 次の反応のうち、中性子捕獲反応はどれか。 (1)(n、α) (2)(n、p…
放射線計測で用いられる単位Gy(グレイ)、J(ジュール)について記載します。 過去問も解説しますので理解しましょう。 試験では、様々な放射線計測に使用される単位が出てきますが、 全て吸収線量Gy(J/kg)に変換できるよう覚えておきましょう。 以下、試験に…
粒子放出反応について過去問を解説しながら説明します。 粒子放出反応とは、原子核に中性子が入射して陽子等が放出される反応です。 粒子放出反応は以下の様に略されます。 (n,p)、(n,α)、(n,n) 過去問解説 [平成28年度物理 問12] 熱中性子が3Heと(n,p)反応…
荷電粒子の衝突阻止能を算出する式について記載します。 衝突阻止能を求める式は必ず覚えておきましょう。 過去問についても解説します。 衝突阻止能とは放射線が入射する物質中の電子にエネルギーを与えて励起・電離作用で単位長さ当たりに失うエネルギーの…
点線源からの吸収線量を求める方法を過去問の解説をしながら説明します。 <平成28年度物理29問目> 314Mbqのβ線点線源を40秒間取り扱うとき、指先の皮膚の吸収線量[mGy]として最も低いものは次のうちどれか。ただし、線源と指先の距離は10cmで、このβ線の皮…
中性子の弾性散乱について記載します。 中性子の弾性散乱では、中性子が原子核と衝突した時の ・原子核の反跳エネルギー を求める問題が良く出題されます。 原子核の反跳エネルギーを求めるための公式を覚えておきましょう。 式中の記号の意味は以下の図を参…
W値について解説します。 W値とは、1つの電子対(自由電子・陽イオン)を作るために必要な荷電粒子のエネルギーです。空気、アルゴン等それぞれ違う値が与えられています。 ※W値は、荷電粒子のみに適用されます。 W値が使われている試験問題を解説します。 […
GM計数管の原理と分解時間について解説します。 GM計数管については分解時間を用いた計算問題が良く出題されますので、式を覚えてしまいましょう。 GM計数管は、非常に感度良くγ線やβ線の入射した本数を数えることが出来ます。 ※入射した放射線のエネルギー…
放射性崩壊について解説します。放射性崩壊の3種類 ・α崩壊 ・β崩壊 ・γ崩壊 についてまず説明します。 α崩壊 不安定な原子核がα線を放出して安定した原子核に変化しようとする現象です。 上図に示すようにα崩壊によりα線を放出した原子核は質量数4、原子…
内部転換について記載します。 記事の最後には内部転換について問われた過去問について解説しますので理解しましょう。 以下の現象を内部転換と呼びます。 原子核が励起状態から基底状態に戻る際γ線が発生します。又、γ線を発生させる代わりに励起状態から基…
アボガドロ数について説明します。 アボガドロ数とは、炭素12Cが12g集まった時の原子の数:6×10^23 個のことです。 6×10^23個=1mol(モル)と定義されています。 原子がもつ質量数は、原子が1mol=6×10^23個あるときのg数です。これは、炭素12Cを基準に算出され…
線減弱係数μ・質量減弱係数μm・半価層について説明します。 〇線減弱係数μ(単位:m^-1,cm^-1) まず、線減弱係数μについて説明します。遮蔽体を通過する光子は光電効果・コンプトン錯乱・電子対生成等により本数を減らします。本数の減り易さを表す数値が線減…
チェレンコフ光について記述します。 チェレンコフ光とは、物質中の荷電粒子速度が光速度を超えるときに発生する光です。 特に、水中での光速度は真空中での光速度と比較し0.75倍となるため、荷電粒子の速度が光速度を超えることがあります。 荷電粒子の進行…
Q値と発熱・吸熱反応について解説します。 Q値、発熱・吸熱反応はセットで理解しましょう。 計算問題は毎年必ず出題されますので、特に吸熱反応のしきい値算出式は覚えてしまいましょう。 まず、Q値とは核反応、放射性壊変の過程で発生、又は吸収されるエネ…
半減期について記載します。 半減期とは、放射性物質が壊変して元の半分になるまでの時間です。放射性物質が半分になると、発生する放射線の本数も半分になります。放射線の本数が半分になるということは光子束密度(フルエンツ率)が半分になるということです…