放射線取扱主任者試験対策(物理化学生物)ブログ

第1種放射線取扱主任者です。試験勉強を始めたばかりの方のとっかかりになるような、ある程度勉強を進めた方の見返しとなるようなブログを目指しています。

アボガドロ数と放射能について[過去問解説有]

アボガドロ数について説明します。

 

アボガドロ数とは、炭素12Cが12g集まった時の原子の数:6×10^23 のことです。

6×10^23個=1mol(モル)と定義されています。

原子がもつ質量数は、原子が1mol=6×10^23個あるときのg数です。これは、炭素12Cを基準に算出されています。つまり、水素1Hの原子の質量数は炭素12Cの1/12ということです。

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POINT:なぜ12Cが アボガドロ定数の基準なっている?

    ⇒安定していて集めやすいから!

 

以上を理解した上で、放射能を求める式でアボガドロ数がどのような役割を持つか理解してください。アボガドロ数はモル数と掛け合わされ、放射性物質の総原子数を求める役割を持っています。

試験では、以下のように放射能を求める式に組み込まれます。

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<過去問>

放射能が12.5億年(3.9×10^16秒)の放射性同位体3.9mgの放射能が1040Bqであった。この同位体のモル質量[g/mol]に最も近い値はどれか。

(1)40 (2)60 (3)80 (4)120 (5)140

[解説]

まず、放射能が1040Bqであるとき原子数Nは幾つであるかを以下式のように算出します。

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これよりNは

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となります。

 

次に原子数がNのとき質量が3.9mgであることから、以下式を用いて1molの質量Mを求めます。

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ここに、先ほど求めたNの値を代入します。

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これより、モル質量Mは

40[g/mol]

となります。

よって、答えは(1)

 

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