放射線全般
放射平衡について説明します。 放射平衡とは、 親核種の半減期が娘核種の半減期より長い場合に親核種、娘核種が同時に存在するため放射能が釣り合う状態のことを言います。 上記放射平衡には2種類のパターンがあります。 一つ目:過渡平衡(かとへいこう) …
壊変定数λと放射能について解説します。 壊変定数λを使用した放射能を求める式 がなぜこの形になるのか順を追って理解しましょう。 放射能は単位時間あたりの原子壊変数(放射性物質の原子が減る数)であり、壊変定数を用いて以下式となります。 これを変換す…
放射線計測で用いられる単位Gy(グレイ)、J(ジュール)について記載します。 過去問も解説しますので理解しましょう。 試験では、様々な放射線計測に使用される単位が出てきますが、 全て吸収線量Gy(J/kg)に変換できるよう覚えておきましょう。 以下、試験に…
点線源からの吸収線量を求める方法を過去問の解説をしながら説明します。 <平成28年度物理29問目> 314Mbqのβ線点線源を40秒間取り扱うとき、指先の皮膚の吸収線量[mGy]として最も低いものは次のうちどれか。ただし、線源と指先の距離は10cmで、このβ線の皮…
照射線量・カーマについて記載します。 各々の意味について混乱しないよう理解しましょう。 放射線の測定対象や放射線が入射する物質の定義が変わります。 照射線量 照射線量とは、質量dmの空気と光子(X線、γ線)が反応した際に生成される二次電子が完全…
GM計数管の原理と分解時間について解説します。 GM計数管については分解時間を用いた計算問題が良く出題されますので、式を覚えてしまいましょう。 GM計数管は、非常に感度良くγ線やβ線の入射した本数を数えることが出来ます。 ※入射した放射線のエネルギー…
光核反応について説明します。 試験では「正しいものの組み合わせはどれか」という問いで光核反応の性質が組み合わせの選択肢に上がっていることが多いです。 光核反応とは、高エネルギーのγ線が原子核に入射すると原子核より、陽子・中性子・α線等が放出さ…
フルエンスについて説明します。 フルエンスには4つの種類があり、それぞれに意味があるので理解しましょう。 まずは、下の図を見てください。 m2:放射線の当たる面積を表します。 Q:放射線の本数を表します。 J:放射線1本のエネルギーを表します。 4つの…
放射性崩壊について解説します。放射性崩壊の3種類 ・α崩壊 ・β崩壊 ・γ崩壊 についてまず説明します。 α崩壊 不安定な原子核がα線を放出して安定した原子核に変化しようとする現象です。 上図に示すようにα崩壊によりα線を放出した原子核は質量数4、原子…
内部転換について記載します。 記事の最後には内部転換について問われた過去問について解説しますので理解しましょう。 以下の現象を内部転換と呼びます。 原子核が励起状態から基底状態に戻る際γ線が発生します。又、γ線を発生させる代わりに励起状態から基…
軌道電子捕獲について記載します。 原子核中の陽子が軌道電子を捕獲し中性子に変化する反応です。陽子が1つ減るため原子番号も1つ低くなり異なる原子核となります。質量数に変化はありません。原子核中に陽子が多くあり不安定な場合、原子核が安定を保とう…
アボガドロ数について説明します。 アボガドロ数とは、炭素12Cが12g集まった時の原子の数:6×10^23 個のことです。 6×10^23個=1mol(モル)と定義されています。 原子がもつ質量数は、原子が1mol=6×10^23個あるときのg数です。これは、炭素12Cを基準に算出され…
チェレンコフ光について記述します。 チェレンコフ光とは、物質中の荷電粒子速度が光速度を超えるときに発生する光です。 特に、水中での光速度は真空中での光速度と比較し0.75倍となるため、荷電粒子の速度が光速度を超えることがあります。 荷電粒子の進行…
Q値と発熱・吸熱反応について解説します。 Q値、発熱・吸熱反応はセットで理解しましょう。 計算問題は毎年必ず出題されますので、特に吸熱反応のしきい値算出式は覚えてしまいましょう。 まず、Q値とは核反応、放射性壊変の過程で発生、又は吸収されるエネ…
半減期について記載します。 半減期とは、放射性物質が壊変して元の半分になるまでの時間です。放射性物質が半分になると、発生する放射線の本数も半分になります。放射線の本数が半分になるということは光子束密度(フルエンツ率)が半分になるということです…