放射線取扱主任者試験対策(物理化学生物)ブログ

第1種放射線取扱主任者です。試験勉強を始めたばかりの方のとっかかりになるような、ある程度勉強を進めた方の見返しとなるようなブログを目指しています。

チェレンコフ光について[過去問解説有]

チェレンコフ光について記述します。

 

チェレンコフ光とは、物質中の荷電粒子速度が光速度を超えるときに発生する光です。

特に、水中での光速度は真空中での光速度と比較し0.75倍となるため、荷電粒子の速度が光速度を超えることがあります。

f:id:hatomugikun:20200119175032p:plain

荷電粒子の進行方向に対する光子の進行方向の角度を放射角θとすると

f:id:hatomugikun:20200119214447p:plain

と表されます。

 

<過去問>

チェレンコフ光に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

A、荷電粒子が結晶の格子面に沿って入射したときに放出される光である。

B、荷電粒子が物質中での光速より速く進むときに放出される光である。

C、荷電粒子が物質中で曲げられるときに放出される光である。

D、荷電粒子が物質を通過する際に生じる分極に伴って生じる光である。

(1)AとB(2)AとC(3)AとD(4)BとC(5)BとD

[解説]

チェレンコフ光の発生は結晶とは限りませんので、Aは誤りです。

荷電粒子が物質中で曲げられるときに発生する光は制動放射光でるためCは誤りです。

正しいことを記述している選択肢はB、Dなので正解は(5)となります。

 

チェレンコフ光、主に原子力発電所の燃料プール等で見られます。