放射線取扱主任者試験対策(物理化学生物)ブログ

第1種放射線取扱主任者です。試験勉強を始めたばかりの方のとっかかりになるような、ある程度勉強を進めた方の見返しとなるようなブログを目指しています。

半減期について[過去問解説有]

半減期について記載します。


半減期とは、放射性物質が壊変して元の半分になるまでの時間です。放射性物質が半分になると、発生する放射線の本数も半分になります。放射線の本数が半分になるということは光子束密度(フルエンツ率)が半分になるということです。

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壊変前の放射性物質

壊変後の放射性物質

放射線

 

半減期Tを用いた2つの式を記載します。

 必ず暗記しましょう。

 

①放射性物質(半減期T)の持つ放射能を求める式

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放射能は単位時間[s]の放射性物質の壊変数です。よって、半減期も単位を秒[S]に変換してから式に代入しましょう。1[年]=3.15×10^7[秒]は覚えておいた方が良いでしょう。

A[Bq]=放射能

In2=0.693

6×10^23=アボガドロ係数

W[g]=放射性物質の重量

M=放射性物質の質量数

T[s]=半減期

 

②放射性物質(半減期T)のt時間経過後の放射能を求める式

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半減期Tと経過時間tの単位を合わせるよう注意しましょう。

A'[Bq]=t[時間]経過後の放射能

A[Bq]=放射性物質初期の放射能

t=経過時間

T=半減期

 

[平成20年度物理科目より]

10GBqの241Amの質量[g]として、最も近い値は次のうちどれか。ただし、241Amの半減期を1.4×10^10s、アボガドロ係数を6×10^23/molとする。

(1)4×10^-5 (2)2×10^-4 (3)6×10^-3 (4)8×10^-2 (5)1×10^-1

 

[解説]

先ほど説明した①放射性物質(半減期T)の持つ放射能を求める式を使用します。

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本問により求めらている値は上式のW[g]です。上式をW[g]を求める形に直した上で、問中で与えられた値を代入すると10GBqの241Amの質量W[g]は以下のように求められます。

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よって、答えは(4)となります。

 

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