照射線量・カーマについて記載します。
各々の意味について混乱しないよう理解しましょう。
放射線の測定対象や放射線が入射する物質の定義が変わります。
照射線量
照射線量とは、質量dmの空気と光子(X線、γ線)が反応した際に生成される二次電子が完全に停止するまでに発生させる電離電荷の合計を表します。
式に示すと以下の様になります。
カーマ
カーマとは、質量dmの全ての物質と非荷電粒子(X線、γ線、中性子線)が反応した際に発生する二次電子の初期エネルギーの総和となります。質量dmの空気に対して測定した場合、空気カーマと呼びます。
空気カーマを式に示すと以下の様になります。
照射線量と空気カーマの関係
空気カーマからは照射線量に変換するには以下の式を用います。照射線量では、二次電子の初期エネルギーから制動放射線によるエネルギーの損失を考慮する必要があります。制動放射発生の割合をgとおくと空気カーマとの関係は以下の様になります。
W:W値(eV)、e:素電荷(C)
上記の式で、カーマKの単位[J/kg]から照射線量Xの単位[C/kg]への変換がピンとこない方は下の式を参照ください。
これを整理して照射線量Xの単位[C/kg]となります。
W値について記載した記事はこちら↓