放射線取扱主任者試験対策(物理化学生物)ブログ

第1種放射線取扱主任者です。試験勉強を始めたばかりの方のとっかかりになるような、ある程度勉強を進めた方の見返しとなるようなブログを目指しています。

放射平衡について<過去問解説有>

放射平衡について説明します。

 

放射平衡とは、

親核種の半減期が娘核種の半減期より長い場合に親核種、娘核種が同時に存在するため放射能が釣り合う状態のことを言います。

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上記放射平衡には2種類のパターンがあります。

 

一つ目:過渡平衡(かとへいこう)

親核種の半減期が娘核種の10倍以上の時、成り立ちます。

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二つ目:永続平衡(えいぞくへいこう)

親各種の半減期は娘核種の1000倍以上(すごく長い!)の時、成り立ちます。

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<過去問(平成23年度化学)>

238Uを234g含む試料中の222Rnの放射能[Bq]として、最も近い値は次のうちどれか。

ただし、この試料中のウラン系列核種は永続平衡にあり、238U,1gの放射能は1.2×10^4[Bq]である。

<解説>

親核種(238U)と娘核種(222Rn)が永続平衡となるため

放射能=N1×λ1=N2×λ2

よって、N2×λ2=1.2×10^4×234=2.8×10^6[Bq]

※N1、N2:親と娘の放射線数

 λ1、λ2:親と娘の崩壊定数