放射線取扱主任者試験対策(物理化学生物)ブログ

第1種放射線取扱主任者です。試験勉強を始めたばかりの方のとっかかりになるような、ある程度勉強を進めた方の見返しとなるようなブログを目指しています。

荷電粒子の衝突阻止能について[過去問解説有]

荷電粒子の衝突阻止能を算出する式について記載します。

衝突阻止能を求める式は必ず覚えておきましょう。

過去問についても解説します。

 

衝突阻止能とは放射線が入射する物質中の電子にエネルギーを与えて励起・電離作用で単位長さ当たりに失うエネルギーのことを言います。

 

荷電粒子の衝突阻止能Sには以下の関係があります。

※∝は比例を表します。

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式中のそれぞれの記号は下の図を参照ください。

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過去問について解説します。

<平成29年度物理問15>

40MeVのα線及び10MeVの陽子に対する水中での衝突阻止能をそれぞれSα及びSpとするとき、その比(Sα/Sp)として正しいものはどれか。

1) 0.2 2)0.5 3)2 4)4 5)8

<解説>

・α線の原子番号(陽子の数)は2、陽子の原子番号(陽子の数)は1

・α線の質量数は4、陽子の質量数は1

・α線のエネルギーは40MeV、陽子のエネルギーは10MeV

上記を荷電粒子の衝突阻止能を求める式に与えてα線、陽子の比を求めると

(Sα/Sp)=4となる。

 

荷電粒子の阻止能についてまとめた記事についても参考ください。

hatomugikun.hatenablog.com