荷電粒子の衝突阻止能を算出する式について記載します。
衝突阻止能を求める式は必ず覚えておきましょう。
過去問についても解説します。
衝突阻止能とは放射線が入射する物質中の電子にエネルギーを与えて励起・電離作用で単位長さ当たりに失うエネルギーのことを言います。
荷電粒子の衝突阻止能Sには以下の関係があります。
※∝は比例を表します。
式中のそれぞれの記号は下の図を参照ください。
過去問について解説します。
<平成29年度物理問15>
40MeVのα線及び10MeVの陽子に対する水中での衝突阻止能をそれぞれSα及びSpとするとき、その比(Sα/Sp)として正しいものはどれか。
1) 0.2 2)0.5 3)2 4)4 5)8
<解説>
・α線の原子番号(陽子の数)は2、陽子の原子番号(陽子の数)は1
・α線の質量数は4、陽子の質量数は1
・α線のエネルギーは40MeV、陽子のエネルギーは10MeV
上記を荷電粒子の衝突阻止能を求める式に与えてα線、陽子の比を求めると
(Sα/Sp)=4となる。
荷電粒子の阻止能についてまとめた記事についても参考ください。