放射線取扱主任者試験対策(物理化学生物)ブログ

第1種放射線取扱主任者です。試験勉強を始めたばかりの方のとっかかりになるような、ある程度勉強を進めた方の見返しとなるようなブログを目指しています。

荷電粒子の阻止能について

荷電粒子の阻止能について記載します。

 

荷電粒子が物質との相互作用でエネルギーを失う現象には以下の2通りがあります。

①荷電粒子が物質中の電子にエネルギーを与え、励起や電離作用でエネルギーを失います。この失うエネルギーを衝突阻止能と呼びます。衝突阻止能を物質の密度で割った値を質量衝突阻止能と呼びます。

②制動放射によりエネルギーを失います。制動放射により失うエネルギーを放射阻止能と呼びます。放射阻止能を物質の密度で割った値を質量放射阻止能と呼びます。

又、

・全阻止能=衝突阻止能放射阻止能

・質量阻止能=質量衝突阻止能質量放射阻止能

となります。

 

重荷電粒子(α線、陽子線等)の阻止能について

重荷電粒子は電子と比較し大きいため、通常物質中を直線に進みます。又、制動放射は無視することが出来ます。制動放射は、粒子の質量が大きい場合激減します。

よって、重荷電粒子は物質中の電子との相互作用による衝突阻止能のみ考慮すれば良いことが分かります。

全阻止能=衝突阻止能、質量阻止能=質量衝突阻止能

※とても少ない確率で重荷電粒子と原子核が衝突し、散乱粒子が大きく曲げられることがあります。これを、ラザフォード散乱と呼びます。

 

〇重荷電粒子のブラッグ曲線について

重荷電粒子は速度の2乗に反比例して大きな抵抗を受けるため、速度が遅くなってくるとある一点で急激にエネルギーを失います。その、エネルギーの損失曲線をブラッグピークと呼びます。

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:電子  :重荷電粒子 :原子核

 

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