放射線取扱主任者試験対策(物理化学生物)ブログ

第1種放射線取扱主任者です。試験勉強を始めたばかりの方のとっかかりになるような、ある程度勉強を進めた方の見返しとなるようなブログを目指しています。

コンプトン散乱について

コンプトン散乱について記載します。


コンプトン散乱とは、光子と軌道電子の衝突により光子が散乱し、電子が反跳する現象です。

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入射光子・散乱光子・反跳電子の運動量・エネルギーから以下の式が導き出されます。

 

水平方向:P0=Pr×cosθ+Pm×cosφ

垂直方向:0=Pr×sinθ+Pm×sinφ

エネルギー保存則:E0=Er+Em

 

上記3式より以下が求められます。

 

コンプトン散乱光子のエネルギーEγ

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電子の静止エネルギーmc^2=0.511[MeV]より

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後方散乱について説明します。後方散乱とは入射光子が180度後方に跳ね返る現象です。このよき弾かれる電子のエネルギーは最大となります。これを、コンプトン端と呼びます。

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コンプトン散乱では軌道電子が弾かれるため、特性X線、又はオージェ電子が発生します。

 

 

特性X線・オージェ電子について記載した記事はこちら↓