放射線取扱主任者試験対策(物理化学生物)ブログ

第1種放射線取扱主任者です。試験勉強を始めたばかりの方のとっかかりになるような、ある程度勉強を進めた方の見返しとなるようなブログを目指しています。

γ壊変の反跳核エネルギーについて

γ壊変が起こった時に粒子が持つ反跳核エネルギーについて記載します。

γ線は質量を持たないため粒子用の運動エネルギー式・運動量式が使えません。

そこで、γ線の運動エネルギーはプランク定数h振動数νを用いて光子用の運動エネルギー式・運動量式で表します。

 

試験ではγ壊変が発生したときの粒子が持つ反跳エネルギー算出をよく求められます。

ここでは、γ壊変が起きた時の粒子が持つ反跳核エネルギーを求める式の算出方法を記載します。試験中、式を忘れても対応できるよう、理解しましょう。

 

γ線を放出した粒子は反跳エネルギーを持ちます。

γ線のエネルギー・運動量粒子の反跳エネルギー・運動量は等しくなることから、以下式のように粒子の反跳エネルギーを求めます。

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(hv/mc)を反跳エネルギーの式に代入します。

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上記の式を整理して、反跳エネルギーは以下の通りになります。

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ここで、mc^2は反跳核の静止エネルギーとなります。1u当たりの静止エネルギーは931.5[MeV]であるため、質量数Mの原子の静止エネルギーはmc^2=931.5×M[MeV]となります。試験では、931.5[MeV]は1000[MeV]と近似して計算しても問題ありません。

 

 γ線が発生する過程「γ壊変」についてもこちらの記事で理解しましょう。↓

hatomugikun.hatenablog.com

 

関連として中性子の弾性散乱についても理解しましょう。↓

hatomugikun.hatenablog.com