γ壊変が起こった時に粒子が持つ反跳核エネルギーについて記載します。
γ線は質量を持たないため粒子用の運動エネルギー式・運動量式が使えません。
そこで、γ線の運動エネルギーはプランク定数hと振動数光子用の運動エネルギー式・運動量式で表します。
試験ではγ壊変が発生したときの粒子が持つ反跳エネルギー算出をよく求められます。
ここでは、γ壊変が起きた時の粒子が持つ反跳核エネルギーを求める式の算出方法を記載します。試験中、式を忘れても対応できるよう、理解しましょう。
γ線を放出した粒子は反跳エネルギーを持ちます。
γ線のエネルギー・運動量と粒子の反跳エネルギー・運動量は等しくなることから、以下式のように粒子の反跳エネルギーを求めます。
(hv/mc)を反跳エネルギーの式に代入します。
上記の式を整理して、反跳エネルギーは以下の通りになります。
ここで、mc^2は反跳核の静止エネルギーとなります。1u当たりの静止エネルギーは931.5[MeV]であるため、質量数Mの原子の静止エネルギーはmc^2=931.5×M[MeV]となります。試験では、931.5[MeV]は1000[MeV]と近似して計算しても問題ありません。
γ線が発生する過程「γ壊変」についてもこちらの記事で理解しましょう。↓
関連として中性子の弾性散乱についても理解しましょう。↓