2020年3月6日に映画「Fukushima50」が公開されます。
Fukushima50は東日本大震災の時、福島第一原発で現場にいた方々がどのように活躍したかを描いた映画です。
原発事故で東日本は人の住むことが出来ない土地となる寸前でした。しかし、現場の活躍によりそれは免れることが出来ました。映画を見る前に福島原発で何が起きていたのか大筋を知っておくと、より理解が深まると思いましたので記載します。
全電源喪失
地震による津波で電源機能が失われ全電源喪失SBOが発生しました。
これにより計器等使うことが出来ず、原子炉内部の情報を得ることがほぼ不可能となりました。又、原子炉建屋内の明かりも失われ非常に過酷な状況で事故対応していくこととなりました。
水素爆発による建屋上部の破壊
電源喪失により冷却機能が失われ、圧力容器内の水位が低下し燃料棒がむき出しとなりました。そして、高温の水蒸気が燃料棒の中にある燃料被覆管(放射性物質を外に漏らさぬよう覆うもの)と反応し大量の水素が発生。水素は軽いため建屋上部にたまり発火、爆発しました。
メルトダウン
冷却機能が失われたため、燃料棒が溶け出し圧力容器の底に溜まりました。
これを、メルトダウンと呼びます。
圧力容器内部への注水失敗
冷却機能の失われた圧力容器内部に注水する作戦がとられましたが、建屋上部の爆発や消防車の燃料切れ等により失敗に終わりました。作業者が爆発に巻き込まれる非常に危険な状況でした。
現場の活躍により回避された大規模な炉心破損
圧力容器内部の燃料棒等、原子力発電におけるコア部分である炉心の大規模な破損を回避しました。
冷却機能が失われたことにより、格納容器内は高熱となり高圧力となりました。高圧力が続けばいずれ炉心は破壊され、非常に高い線量が外に漏れだし東日本は人の住めない土地となる寸前の状況でした。
しかし、格納容器に取り付けられた弁を手動で開く「ベント」を実行したことにより蒸気を外に逃がし圧力を下げたため、炉心の大規模な破損は回避されました。
当時、電源喪失により建屋に明かりは無く、又、非常に高い線量でした。現場がどれだけ過酷な状況であったがが分かります。